海外ブランド
ウェッジウッド
ウェッジウッド(Wedgwood & Corporation Limited)はイギリスの陶磁器メーカーです。
ロイヤルドルトン社と並ぶ世界最大級の陶磁器メーカーの一つです。ジョサイア・ウェッジウッドによって1759年に設立されました。
主に高級食器を製造・販売していますが、アクセサリやタオル、テーブルクロスなども扱っています。
日本には子会社としてウォーターフォード・ウェッジウッド・ジャパンがあります。
ウェッジウッドの歴史
青色の陶磁に白い浮き彫りがある、ジャスパーウェアシリーズ、白い磁器に絵柄の入ったボーンチャイナ(骨灰入り磁器)が人気のウェッジウッド。
イングランド中部、ストーク・オン・トレントの田園風景の中にウェッジウッドの工場があります。
一部はビジターセンターとして開放されていて、ウェッジウッドの歴史や、作り方を学ぶことができます。
単に「ウェッジウッドが好き!」というのでも良いですが、その由来や、作られている現場を見ると、より愛着がわくはずです。
ジョサイア・ウェッジウッドは、代々続く陶工の家系で、12番目の子供として生まれました。1730年のことです。
彼が後に、芸術家、技術者、そして商業の才能を発揮できたのは、教育熱心だった母の影響が大きいでしょう。
父が亡くなると、その跡を継いだ兄に弟子入りしたが、12歳で天然痘にかかってしまいます。
闘病の間はベッドから動けなかったのですが、彼はこの数ヶ月間を、読書や勉強、そして自分自身を考える時間に当てました。
天然痘で悪くなったひざは、ろくろを回す陶工の道に専念するのに、むしろ好都合だったようです。
退院後、その才能を認められた彼は、有力な陶工や親戚の援助、さらに有利な結婚によって自分の事業を成功させることができました。
彼は単なる陶工ではなく、改革者、思想化、科学者として、誰もが認めるところとなりました。
彼の足は、ついに切断されてしまいましたが、シャーロット女王に献上したティーセットが評判を呼び、ヨーロッパ中にジョサイア・ウェッジウッドの名が響き渡ることとなりました。
ビジターセンターのすぐ近くには、リジェクトショップ、工場から出た二級品を販売する店がありましたが、あまりに好評(?)だったため、別の場所に移されました。受付で聞けば、新しい店の場所を教えてくれるかもしれません。
英国では、一流ブランドの二級品を「リジェクト品」と明記して売っています。
ウェッジウッドの魅力
「これまでの陶芸を一歩進めて、芸術の域まで洗練させたい。」 それを夢見たジョサイアは、生涯、研究と実験を重ね、いくつもの名品を誕生させました。
完璧を目指して実験を重ね、白い食器を作るのが難しかった当時にしては画期的な乳白色の「クリームウェア」を生み出します。
この優雅なクリームウェアは時のシャーロット王妃を魅了し、1766年、シャーロット王妃より「Potter to Her Majesty(王室御用達の陶工)」と認められ、「クィーンズウェア」の名が与えられます。
ジョサイアはこの時点で満足せず、さらに研究、実験を重ねました。
そして、1768年には深みのある光沢を放つ「ブラックバサルト」を完成。
さらに、1774年には数千回の試作を経て、最大の偉業であるオリジナルの素地「ジャスパー」を完成。
このユニークなストーンウェアは、地の色はさまざまで、その上に古典的なレリーフを施してあり、まもなく世界中で多大な人気を博すこととなりました。
「用の美」を求めたジョサイアの精神は、彼の没後もウェッジウッド社に受け継がれています。
特有の艶やかな白と透明感、堅牢を誇る「ファインボーンチャイナ」は、ジョサイアII世の時代に改良を重ねて生み出され、製品化されました。
最近ではジャスパーの新色発表など、そのチャレンジはとどまるところを知りません。
代表作
・ワイルドストロベリー
・ジャスパー
・ファインボーンチャイナ
・グレンミスト